BSデジタルは,根本的に生きる道を間違ってしまった。…瞬きもなく,消え失せる光。
NEC社は,同社のパソコンにBSデジタル放送受信機能を追加する「スマートビジョンBSサポートキットNX」を発売する。BSデジタル対応テレビがリモコンで行う操作を,マウスで行う。デジタル録画機能は著作権上の問題から対応していないが,アナログ録画は可能。
BSデジタル(アスキーデジタル用語辞典)の不振が伝えられる(日経IT Proの記事)。←記事にあるような悪循環で,どんどん客足がひいているという状況。なにより初期費用(受信機)が高過ぎる(チューナーが7万〜9万円ぐらい)。また,果たしてテレビに双方向メディアとしての役割が期待されているのかという疑問もぬぐえない(各テレビ局のウェブサイトが好例だが,そもそもテレビに関わる人間は双方向のやり取りの仕方を知らない?)。
で,穿った結論を書くと,IPとの親和性が高ければ簡単に成功したのに…,ということだ。今後急速に普及するブロードバンド環境に簡単に接続することができるし,記事にあるNECのような製品でパソコンとの互換性も高められる。多少マニア受けする番組が強くなっている気もするので,その点でもPCユーザーとはフィットする気がするし(そうでなくても地方では系列局の不在で観られない番組が観られる利点は強い)。だが,BSデジタルはそもそも,インターネットを敵視化し,データ形式としてHTMLではなくBMLを作意的に選ぶような動きではじまっている。そもそも,そこで間違っていたのだ。…テレビは,ネットワーク(IP)に最終的には取り込まれるメディアだ(AOLタイムワーナーの誕生という動きをみれば素人でもわかる)。そのときに,IP化をしておけば,パソコンの中で生きていける。ネットワークの中で生き残れる。すでにそういうメディアなのだ,テレビは。(…まっ,BSデジタルにはそんなこと云ってももう遅いんですが:P。
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